2025.05.24
こんにちは。カドヤ商事TCG担当の原です。
2025年5月もポケモンカード市場は活況が続いており、全体的には約5%程度の相場上昇が見られました。
本記事では、5月の市場動向を踏まえ、相場上昇・下落カードそれぞれの背景や、今後の展望についても詳しく解説してまいります。
春の大型連休「ゴールデンウィーク」や、新商品の発売、アニメ・ゲームなどメディア露出による影響も重なり、5月は年間を通しても比較的売買が活発になる月です。
特にコレクター需要と投資的観点の両方から注目されている「PSA10」グレードのカードを中心に、じわじわと価格を上げているカードが散見されました。
一方で、発売間もないカードや高騰のピークを迎えたカードでは利益確定売りが増え、調整的な下落も見られました。
日付 | 相場価格 |
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3月10日 | 46,500円 |
4月10日 | 47,000円 |
5月12日 | 51,000円 |
ピカチュウはポケモンシリーズを象徴するキャラクターであり、その関連カードは時代を問わず安定した人気を誇ります。中でも「SAR(スペシャルアートレア)」仕様のカードは、プレイヤーよりもコレクターに支持され、比較的高い価格帯で推移します。
ピカチュウex SARは美麗なアートと希少性が評価され、5月には遂に5万円台を突破しました。
日付 | 相場価格 |
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1月14日 | 567,000円 |
3月11日 | 600,000円 |
5月15日 | 740,000円 |
ピカチュウシリーズの中でも、特に根強い人気を誇るのが「ポンチョを着たピカチュウ」シリーズ。中でもレックウザバージョンは、配布限定・プロモ仕様で流通枚数が少なく、極めて高いプレミア価格が付いています。
このカードのPSA10は70万円台に到達し、過去最高水準の取引が続いています。
注意点:偽造品の増加
人気の高額カードであるがゆえに、「ポンチョピカチュウ」シリーズには偽造品(オリカ・ファンアート)が多く流通しています。最近ではPSA鑑定ケース自体を模倣した精巧な偽物も確認されており、購入時には信頼できるショップ・販売者からの購入が必須です。
日付 | 相場価格 |
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2月16日 | 42,000円 |
3月25日 | 55,000円 |
5月10日 | 70,000円 |
ゼイユSARも大きな上昇を見せたカードのひとつです。
このカードが収録された『変幻の仮面』は、生産数が比較的多い一方で、製造工程の影響で裁断面が荒く、PSA10の評価を得にくい傾向があります。
2025年5月10日時点でのPSA10枚数はわずか2,223枚。これは最近のカードにしては非常に少ない数字であり、その希少性から相場が上がっています。
コレクターとしては、今後の再販でも美品が増えない可能性もあるため、状態の良い個体を早期に確保する動きが活発化しています。
日付 | 相場価格 |
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2月18日 | 38,000円 |
3月14日 | 44,000円 |
5月13日 | 40,000円 |
2024年後半から相場の上昇が続いていた「ミモザSAR」ですが、5月に入りやや調整の動きが見られました。
大きな下落ではないものの、4万円台で一旦天井をつけた感があり、ここからの値動きは様子見ムードとなっています。
高騰に伴い、「そろそろ利益確定しよう」という売りが増えた結果、相場が一時的に緩んだと考えられます。
日付 | 相場価格 |
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4月23日 | 31,000円 |
5月21日 | 25,000円 |
3月発売の最新弾『熱風のアリーナ』に収録された「ヒビキのホウオウex」は、登場直後こそ高騰したものの、その後は下落トレンドが続いています。
これはポケモンカードにおけるよくあるパターンで、
1.発売直後は希少性から高値が付く
2.徐々に出回りが増える
3.希少性が薄れ、相場が下がる
という価格推移をたどるカードが非常に多いです。ヒビキのホウオウexもこの典型例といえます。
6月は夏休み前のプロモカード発表や、キャンペーン、新弾発表などが増える時期であり、ポケモンカード相場が再び盛り上がる傾向があります。
また、夏は例年、
・新規参入者の増加
・コレクター需要の上昇
・中古カードの動き活発化
といった要因が重なり、全体的に相場が上昇しやすいシーズンです。
このまま安定した上昇基調が続くのか、それとも調整局面が来るのか、6月の動きにも引き続き注目です。
今回の相場動向を見てもわかる通り、相場が上がるカードにはいくつかの共通点があります。
・流通数が少ない
・状態(グレーディング評価)の良い個体が少ない
・キャラクター人気が高い
・話題性やメディア露出がある
市場に出回っている枚数やカードの製造品質などを見極めながら、「希少かつ状態の良いもの」を選ぶことが、長期的に見ても価値あるコレクション・投資につながるといえるでしょう。
それでは、また来月の相場レポートでお会いしましょう。
カドヤ商事 TCG担当 原